デイズその2

メニュー| デイズ | ブル | バル | バデ | バブル | ロブル | デイ | ゲブル | 60 | ビブルデイ | マナ | ルデ | ルデイズ64 | バイズ65 | | デイ67 | バブルダイズ68 | ガビルデイズ69 | ナイフ70 |

「その……悪かったよ、勝手に決め付けて」

ペコリと、サイの頭を軽く下げた。

「しかし一体誰だ、こんな事をしたのは……!」

 憤慨するジェスはやり切れなさそうに、変わり果てた磯辺を凝視している。ロザリアも顔を青ざめさせ、ミイラとなった磯辺の遺体に、持っていたカーディガンをかけた。

 マナは初夏であるにも関わらず、寒気を感じた自分の身体を抱き締める。その寒さを振り払うようにマナは幸一に呼びかけた。

「じゃあ、私達も教室に行きましょうか」

「え? あ、そうですね……」

 先を行くマナの背を追い、幸一は教育学部棟に向かう。

「……大変な事になりましたね」

 幸一の顔は険しい。額にはシワができ、眼は針のように細められている。

「幸一君、落ち着いていたね。正直……助かったよ」

 努めて明るい口調でマナは先程の出来事を振り返った。

「え? あ、まあ、その、入学以来、フランクさんの顔を間近で見たり、クマと遭遇したり、ジェスさんを制止したりって、色々あったんで……あははは、恐怖にも耐性が出来るものなんですね、初めて知りましたよ!」

 幸一は階段をのぼる足は止めず、照れ臭そうに頭を掻き、カラカラと大声をあげて笑ってみせる。だがマナは見逃さなかった。頭を掻く彼の手が、小刻みに震えている事に。よくよく見れば、顔色も病人のように悪い。

 あのミイラが、怖くない訳がない。大学構内に猟奇的な殺人鬼がいるという事実に、恐怖を覚えない訳がない。何より……人を、ああいうふうに殺す事が出来る自分が、怖くない訳がない。

 足を止めたマナに、振り返った幸一が声をかけた。